かに星雲 他『Unistellar社のeVscopeで天体観測』~星の庶民様の天体観測記~(2022.2.2)
- eVscopeについて
- 観測環境
- 春・冬の有名天体を狙います!
- かに星雲 /Crab Nebulaを観てみた
- 触角銀河/Antennae Galaxiesを観てみた
- プレセぺ星団/Beehive Clusterを観てみた
- NGC2392星雲を観てみた
- ドッグボーン星雲を観てみた
- おわりに
eVscopeについて
天文ファンの間で近頃話題に挙げられている、Unistellar社の『eVscope』。クラウドファンディングで従来の望遠鏡より100倍パワフルを謳い文句に、登場してから瞬く間に有名になりました。
この記事の読者はeVscopeが何者なのかは既にご存知だと思いますので、製品の紹介は割愛いたします。知りたい人は↓からどうぞ。
ちなみにeVscopeの注文、開梱、組み立て等の記録はこちら!ご参考までに^^
〇総合ギャラリー(eVscope)はこちら
観測環境
春・冬の有名天体を狙います!
今回は未だ捉えられていなかったM1かに星雲を第一の目標に、そのほか春・冬の有名どころを狙ってみました!かに星雲は、eVscopeでどこまで構造と色味を識別できるかがポイントですね。
かに星雲 /Crab Nebulaを観てみた
星雲の中でも特に有名なかに星雲ですが、私自身、子供のころから図鑑で写真を観てはいつか観てみたいと思っていた天体の一つです。今回、やっとその夢が叶います!
かに星雲(かにせいうん、Crab Nebula 、M1、NGC 1952)はおうし座にある超新星残骸で、地球からの距離はおよそ6400光年。典型的なパルサー星雲で、中心部には「かにパルサー」と呼ばれるパルサーの存在が確認されており、現在も膨張を続けている。
引用元:ウィキペディア
かに星雲は、かに座ではなくおうし座に位置しています。※下図の赤丸の位置。
実際に導入し、エンハンストビジョンをかける前のライビュ―の様子が以下です。この状態ではさすがに何も写っていないですね。
次に、エンハンストビジョンをかけて、露光時間数分ごとに取得した比較が以下です。エンハンストビジョンをかければ、中央に茶色?の雲状のものが写っていることが分かりますね。また、1500秒(25分)も露光すれば、かなりくっきりと見えることが分かります。
1500秒(25分)のものを携帯アプリで適当に調整したのが以下です。
さすがに図鑑のようなカラフルには写りませんが、光害ばりばりの都会からこれだけ観えたら文句なしでしょう!
触角銀河/Antennae Galaxiesを観てみた
続いて、なかなか特徴的な銀河の一つである、触角銀河にチャレンジしました。二つの銀河が衝突してこのような形になったようですね。我々の天の川銀河もそのうちアンドロメダ銀河と衝突すると言われていますが、このようになってしまうのでしょうか。(まぁそのころには私はお空の星の一つになっているのでしょうが・・・笑)
触角銀河(しょっかくぎんが、Antennae Galaxies 、NGC 4038/NGC 4039、Caldwell 60/61)は、からす座にある銀河の対である。NGC4038及びNGC4039という二つの銀河が衝突しており、互いに潮汐力を及ぼし合うことで2本の長い腕状の構造が伸びているのが特徴である。日本語ではアンテナ銀河、リングテール銀河とも呼ばれる。この二つの銀河は共に1785年にウィリアム・ハーシェルによって発見された。
引用元:ウィキペディア
触角銀河はからす座に位置しています。※下図の赤丸の位置。
まずは、エンハンストビジョンをかける前のライブビューの様子です。
この状態ではほとんどなにも認識できませんね。周りに明るい星もほとんどなく、自動導入が無ければ一生見つけられない自信があります笑
次に、エンハンストビジョンをかけて数分おきに取得した画像の比較が以下です。
1200秒(20分)のものを携帯アプリで適当に調整したのが以下です。2つの銀河がくっついていることが判別できますね。
プレセぺ星団/Beehive Clusterを観てみた
続いて、プレアデス星団と同様に名付きの星団である、プレセぺ星団にチャレンジしました。正直に言うと、昔からなんでそれほど綺麗なわけでもないのにこの星団に名前がついているんだろう・・・と思っていました笑
英名の"Beehive"はハチの巣という意味らしいですね。プレセぺの意味は・・・ちょっと難しいので↓のwikiをご覧ください笑
プレセペ星団(プレセペせいだん、Praesepe 、M44、NGC 2632)はかに座にある散開星団である。
引用元:ウィキペディア
上述の通り、かに座に位置しています。※下図の赤丸の位置。
まずは、エンハンストビジョンをかける前のライブビューの様子です。星雲と違って、星団だとエンハンストビジョンをかけずともある程度は見えますね。
次に、エンハンストビジョンをかけて数分おきに取得した画像の比較が以下です。
600秒(10分)のものを携帯アプリで適当に調整したのが以下です。
こうやって見れば、たしかに白色の星とオレンジ色の星が輝いていて綺麗ですね。でも名前を付けるほどかというと・・・うーん笑
NGC2392星雲を観てみた
続いて、非常に有名な惑星状星雲であるNGC2392にチャレンジしました。なかなか特徴的な見た目ですが、その構造まで見えるかどうか・・・といったところですね。
(中略)NGC2392(中略)は、ふたご座の惑星状星雲である。ふたご座δ星の約2.3度南東に位置する。1787年にウィリアム・ハーシェルによって発見された。
引用元:ウィキペディア
上述の通り、ふたご座に位置しています。※下図の赤丸の位置。
まずは、エンハンストビジョンをかける前のライブビューの様子です。ぼんやりと青い天体が確認できますね。
次に、エンハンストビジョンをかけて数分おきに取得した画像の比較が以下です。もともと小さな天体なので、あまり改善されているのかが分かりづらいですね。
1200秒(20分)のものを携帯アプリで適当に調整したのが以下です。恒星とは見分けがつきますが、さすがにこの星雲特有の構造までは解像出来なかったですね・・・。ですが、もっと環境が良ければもしかすると改善されるかもしれません!次はまた天体観測適地でトライしたいですね!
ドッグボーン星雲を観てみた
続いて、ふたご座の惑星状星雲である、通称ドッグボーン星雲を観てみました。英語では他にCandy Wrapper Nebulaという呼び方もあるようですね。(Unistellarのアプリ上ではこの呼び方です。)
(自動翻訳)NGC 2371-2は、ふたご座にある二重葉の惑星状星雲です。視覚的には、2つの別々のオブジェクトである可能性があるように見えます。したがって、ニュージェネラルカタログのジョンルイスエミルドレイアーによって惑星状星雲に2つのエントリが与えられたため、NGC 2371、NGC 2372、またはこの名前のバリエーションと呼ばれることがあります。
引用元:ウィキペディア
上述の通り、ふたご座に位置しています。※下図の赤丸の位置。
まずは、エンハンストビジョンをかける前のライブビューの様子です。さすがに小さく淡い天体だけあって、何も見えませんね(;^_^A
次に、エンハンストビジョンをかけて数分おきに取得した画像の比較が以下です。さすがに調整なしだとかなり厳しいですね。犬の骨になっているのかどうか判別できません。かろうじて青色であることは分かりますね。
900秒(15分)のものを携帯アプリで適当に調整したのが以下です。拡大するとその構造を観ることができました。一見確かに犬の骨やキャンディーの包み紙のように見えますが、実際は下の参考画像のように、両サイドに分離した星雲が存在して、それも合わせて犬の骨のようになるようですね。私が取得した画像ではそれが写っていません・・・。
引用元:ウィキペディア
今度はより環境の良い場所でトライして、両サイドの淡い星雲部分も捉えてみたいですね!
おわりに
今日はここまで!まだまだ見たい天体がたくさんあるので、楽しみです^^/
ここまで読んでいただきありがとうございました(^^♪
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筆者:星の庶民様